MENU

手紙7

こんにちは、6月になってしまいました。前回の夢のつづきです。

京都の美術館に向かいます。地下鉄を降りて地上に出ると、湿気を含んだ風が吹いていました。私は方向音痴で人任せな人間なので、誰かと一緒に知らない土地に来たときはたいてい地図を見ないどころかスマホすら開かないのですが、友人は「私、方向音痴なんだよね」と言いながらGoogleマップの矢印に従って進んでくれたので、私は四分の一歩ほど下がって彼女の左隣を歩いていました。酷い人間ですね。

この街の建物は全部低いんだなー、社会科の教科書で見たことある感じのコンビニ、街に同化しようとしてるけど割と浮いてるな、などと私はやはり心の中で呟きながら、ピピロッティ・リストの展覧会のポスターが見えてきました。靴を脱いで暗闇の中に吸い込まれていった私たちは、はじめのうちは互いを見失わないように、かつ自分のペースを守りながら展示物を眺めていたのですが、ベッドに寝転がって天井に映し出された映像を見終わったときには友人は見当たりませんでした。そのあと私はピンク色の部屋で映像を見ました。どの作品にも裸体か植物が出てきました。一番広いブースに出てインスタレーションを眺めていると、40分ぶりに友人に再会しました。友人は「外の展示見てくるね」と告げて靴を履き明るい方へ消えて行きました。私は今までより少しペースを上げようと集中力を高めました。この日はよりによって生理2日目で、腰が痛いので座りたくて堪らないという気持ちに打ち克とうと必死でした。やっと全て見終わり、友人と再合流しました。次の予定まであまり時間がなかったのですが、グッズ売り場が気になったので一周だけぐるっと眺めることにしました。図録の隣にオリジナルマスクが置いてあったのですが、「¥2,800」というのが目に入った瞬間、「高っ...!」と自分でも思ってなかったくらいの声が出てしまい、レジにいる店員さんに聞こえてたらまずいなと思いました。時すでに遅し。建物を出ると、入ったときは気づかなかったのですが、ガーランドのように白い下着がたくさん連なって掛かっていました。

次はバスに乗って移動する予定だったので、バス停に向かって歩き出しました。美術館を出てすぐ目の前にバス停があったのですが、スマホを片手に歩く友人は通り過ぎて行ったので、別のバス停なのだなと思い私はスルーして友人について行きました。念のため私もスマホを取り出して地図を見てみました。私は画面の中で動く矢印への信用がないので、美術館とセブンイレブンと川の位置を頑張って照らし合わせながら地図を読んでいました。さっきのバス停で合っているような気がします。数十メートル歩いたところで友人が「あれ、違うかも」と言い出したので、私は妙な優越感に浸りながら、「方向逆じゃない?」と言って先を歩き始めました。無事バスに乗れたので、次回、劇場へ向かいます。

ではこの辺で。