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手紙22

どうしようもなかったので、枕を高くして電気を豆球にして、アマプラで『劇場』という映画を観ました。ちょうど一年前に観てたので2回目。観ようと思って観てないやつの方がいっぱいあるのに、なんかこれもう一回観ようと思って観ました。永田が極度の人見知りで全然喋らないし笑わないし、自分のことしか考えてないような、周りの評価で言えば最低な奴で、サキちゃんがすごい健気で素直で感覚的な賢さがあったけど、永田が自転車の荷台にサキちゃんを乗せて走りながら一人でべらべら笑顔で話すシーン、また泣いてしまった。永田はサキちゃんに怖いくらいに優しくなって、サキちゃんは色々我慢を積み重ねてたのをようやく爆発させて、別々になる。でラストも泣いた。登場人物に感情移入して泣くとか全然意味わからんかったけど、こういうことか。自分の過去に照らし合わせて感動する、とかじゃなくて、永田とサキちゃんの気持ち想像して泣けてきた。行定監督の作品は何回も観たいと思う。『窮鼠はチーズの夢を見る』も3回観た。『劇場』は、又吉さんのラジオ聴いてるせいもあってか、ちょっと永田が又吉さんぽいなと思ったり、とにかく小説家だし芸人だし、言葉の選び方組み合わせ方が面白くて深みがあっていいなあと思った。又吉さんの小説読んだことないし、漫才も見たことない。一年前観たときは、私にもサキちゃんみたいな健気さと寛容さと賢さがあれば、状況は違ったのかな、と罪悪感みたいなものでいっぱいだった。サキちゃんみたいなタイプの人間になりたいと思っていたけど、どちらかといえば私はたぶんずっと永田みたいに自分勝手な人間だし、どう考えても健気な人間にはなれないなと確信した。しかも、健気で優しい人間も、結局いろいろ我慢してるだけで、限界がきてしまうものなんだなと思った。だから健気な人間にはなれないし、無理になろうとしない方がいい。

最近、映画観ましたか?お気に入りの映画あったら教えてください。では。