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身につけた語彙が制限されていく

対人関係やマナーなどの中で、その言葉はこの状況に相応しくないから使ってはいけない、ということを意識する場面が増えてきた。今まさに、「マナーみたいなものの中で」を「マナーなどの中で」に書き換えた。「など」という曖昧な言葉も容易に使うべきではないのかもしれないけれど。

私は、相槌を打つときに「へ〜......」としか反応できなくて、相手の話に興味がないと思われるのを避けるために、「なるほど〜」という相槌を打つことを覚えた。しかし、「なるほど」を目上の人に使うのは失礼に当たるらしい。「そうなのですね」が正しい、らしい。でも「そうなのですね」は長くて会話のテンポにはみ出るから、「なるほど」のほうがちょうどいいような気もする。まあひとまず「そうなんですね」に変えてみるか。

あと、「お疲れさまです」は仕事終わりでもない場面で使うのは違和感があるらしい。時間帯や目上目下に関わらず使えて、会った時も別れる時にも使える挨拶で便利だと思っていたのだけど。それからは、できるだけ「こんにちは」を使うように心掛けてみた。そうすると、朝でも「こんにちは」とつい言ってしまって、「おはようございます」が出てこない。逆に、「おはようございます」に慣れてしまうと、業界用語的に「おはようございます」を使う人が身の回りに多いので、夜でもうっかり「おはようございます」と言ってしまう。それよりは「お疲れさまです」のほうがマシだ。そして、別れる時の挨拶が出てこない。一緒に仕事をしたわけでもない目上の相手に「お疲れさまです」は使えないので、「失礼します」を使うべきか。瞬時にその場に即した挨拶をしなければいけないのはなかなか難しい。

せっかく覚えた「なるほど」も「お疲れさまです」も使う場面がなくなってしまったじゃないか。