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シャンパンと紹興酒

一旦、トイレ行って吐いちゃったほうが後々楽かな〜

お、なんか視界が急にぐわんってなったやばい早よトイレ行こ〜

 

「......うん、大丈夫大丈夫!」

頭の近くで声がする。

「そりゃ緊張するわよね」

あ、吐いたんだ。部屋の出口で倒れて抱きかかえられてるんか。周りの優しい声だけが聞こえる。ふわぁっとしている。あ、目を開けようかな、と思ったけどまぁこのまま瞑ってようか。

 

「お手洗いお借りしていいですか」という自分の声は覚えている。どういうタイミングを見計らって発したのかは覚えてない。無意識に言えたのかもしれない。椅子を立った記憶がないし、自分で出口までどうやって歩いたのかわからない。

床に座って腕にもたれかかっている自分の吐瀉物に気づくまでの一連のシーンが何回も何回も頭から離れなくて寝れない。全然寝れない。トラウマというやつかも。

トラウマだったとして、トラウマになるべきは酒であり、たくさんすぎるおいしい料理でも、申し訳ないくらい優しすぎる関係者の方々でもないのでそこは間違ってはいけない。飲みやすいと思うやつほど気をつけようねほんとうに