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あいさつをどうやって教えるのか

子どものころ、あいさつをしなさい、ありがとうぐらい言いなさい、と親によく怒られていたけれど、なぜあいさつをしなければいけないのか必要性を感じていなかったし、神社の境内や畳の稽古場に向かって一礼するときのような、単なる儀式(だと思っていた)をする気恥ずかしさもあって、全然あいさつができなかった。ありがとうやごめんなさいを言うのも苦手だった。

だんだん大人になって、自分にあいさつをしてくれる人がいると、なんかいい人だなという印象を持つようになった。バイト先ですれ違ったら絶対に全員にあいさつする人がいて、すごいなと思った。大学の先生にメールを送ったら、ひとことめに「連絡ありがとう」と返されて、その手があったか!みたいな気持ちになった。あいさつをすることによって、その後の関係性やコミュニケーションを円滑にすることができるのではないかということに気づいた。

10年20年前の自分に、なぜあいさつをしなければならないのか、を説明するとしたら、どう説明できるだろうか?子どものころ出会う大人は、自分にとってはどうでもいい存在だったり、無条件に愛情を注いでくれる存在だったりしたので、あいさつをしないと良い関係性が結べないということはまずなかった。子どもどうしであれば、定型のあいさつを交わさなくとも、自然とコミュニケーションを取っていたのではないかと思う。あいさつという手段を知っていれば、もっといろんな人と関係を結べたのかもしれないけれど、あいさつができないからといって必ずしも人間関係が築けないことはない。

子どもにあいさつの必要性を教えることは必要なのか?みんないつどうやってあいさつを覚えたんだ。私は大学生になってやっと理解した。