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ピルの副作用がものすごく辛かった

ピルの副作用など、以前なら想像もしていなかったので、書き留めておこうと思う。

一旦、騙されたと思って飲んでみた

ピルを飲むことで、生理痛やPMSから解放されて、人生において大きなメリットになる、デメリットは強いていえば血栓症くらいで、それもごく稀にしか起こらないものだから、デメリットはほとんどない、ピルを飲まない理由なんてないでしょ!といった説明を、私はあらゆるネット記事や性教育系YouTuberの動画や、SNSの口コミで目にしてきた。そんな魔法みたいな都合の良い話あるかよ、と漠然と疑念を抱きながらも、年々生理痛とPMSが生活に支障をきたすようになってきたので、一旦疑念を捨てて騙されてみるか、と思ってピルを飲み始めることにした。

私はフリウェル配合錠ULD「あすか」という、一番安い種類の低用量ピルを飲むことにした。月500〜600円くらい。思っていたより安くて、まあこれなら金払ってやってもいいか、と思えた。

副作用がやべぇ(かゆみ、偏頭痛)

飲み始めた翌日くらいから、腹部〜股にかけてものすごい痒みが続いた。夜中あまりに痒すぎて目が覚めて、眠れない。最近布団を洗濯していなかったから、ダニに噛まれたかも、と思って寝具を全部洗濯したけれど、症状は何も改善しなかった。掻きむしりすぎて血は出るし、おへその下あたりの皮膚が色素沈着してしまった。

飲み始めてちょうど2週間くらいの土曜日、ものすごい偏頭痛に見舞われた。低気圧のせいかな?と思っていたのだけど、普段滅多に偏頭痛は起こらないし、こんなに酷い偏頭痛は経験したことがない。外食の後、同居人と一緒に帰宅しながら、あまり心配させてもネガティブな空気になってしまうだけだし、家に着いたらクリスマス映画を観ながらお菓子の家を作ろうね!という話を、アパートの目前までしていた。帰宅してソファに座って、なんかあまり記憶がないけど、全然映画を観るどころじゃなかった。(クリスマスパーティーは翌日に実施した)

看病されたい自分勝手な幻想

優しく看病されることへの憧れを抱いていたのだろう。体調が悪いとき、同居人がいれば勝手に看病してくれるものだという幻想を抱いていた。しかし私はここでやっと目が覚めた。私の体調不良の詳細をすべて察して、おかゆを作ってくれる、お母さんみたいな人間はこの世に存在しない。フィクションである。これは、同居人に失望したという意味ではない(むしろ自分勝手な幻想から覚ましてもらって感謝している)。プロでもない他人に、仕事でもないのにケア労働を丸投げするというのはただのわがまま、ただの搾取である。私と同居人は一心同体ではない。同居人に限らず、私と一心同体の他人は存在しない。毛布を持ってきてください、水を汲んでください、という具体的な指示やお願いをしないと、誰でも困ってしまう。しかし、察してもらうことに慣れすぎて、というか察してもらって優しくしてもらうことへの憧れみたいなものがあったのだと思う。とにかく優しく看病してくれ、みたいな欲求でいっぱいで何も言語化できなかった。

いつもなら、ネットで今の自分の症状を調べて、何が原因で、どう対処するのか、手当たり次第にいろんな記事を読む癖があるのだけど、頭が痛すぎて画面を見れない。代わりにググってそれをやってほしい、と思ったのだけど、うまく説明できない。同居人が、困り果てて「今日は実家に帰る」と言い出したので、未だに優しい看病への憧れが残っていた私は、「やばくなったら病院に連れて行って」という口実を使って、なんとか居てもらう。しばらくソファでじっとして、さすがにパジャマに着替えてベッドで寝ようと思い立ち上がる。すると、車酔いのような気持ち悪さで、このままうろうろしてると吐いてしまう、とまたソファに座る。できるだけ頭を動かさないように、背もたれにもたれたまま腕と足だけ動かして着替える。ゆっくり慎重にベッドまで行く。このまま治らなかったら#7119に電話をかけて、病院を紹介してもらうことにするね、と同居人に告げる。横になろうとしたものの、頭が痛くて横になれない。壁に枕を立てて、壁に向かって座る。動悸がしてくる。#7119にかけてみたけど、全然繋がらんやないか、と言って電話を切る。ちょっと落ち着いてきた。枕を2個重ねて頭を高くして寝る。

朝目が覚めて、だいぶマシになったけど、まだ少し痛みが残っていた。それにしても昨日やばかったな。救急車を呼ぶことを想定するくらいのレベルの偏頭痛。全然寝た気がしなくて体力が回復していなかったので、朝から入る予定だったバイトは、お昼から行くことにする。

副作用は他人事ではなかった

ピルの副作用についてネットで調べると、「2〜3ヶ月飲み続ければ副作用はほとんど落ち着きます」ということが書かれていることが多い。婦人科で受けた説明も、そういうことで了解していた。でもいざ副作用が起こってみると、これ2〜3ヶ月耐え続けるって、結構無理じゃない?ということに気付いた。「生理は病気じゃないから」って言ってたひと昔前の人たちと一緒だよ。副作用は病気じゃないって?普通に辛い。あとこんな酷い痒みが出るなんて聞いてない。

血栓症の可能性がある症状(突然の足の痛み・腫れ、激しい頭痛、舌のもつれ、突然の息切れ、突然の視力障害など)の場合はすぐに病院に行け、とは書かれてあるけれど、今の自分の偏頭痛は、「激しい頭痛」に当てはまるのか。頭痛以外の症状は該当しないので、血栓症に関係のある頭痛なのかもわからない。血栓症は稀にしか起こらないと言われて、ああじゃあ大丈夫か、と他人事のように説得されていたけれど、自分がそのわずか数%に入る可能性を、この偏頭痛によって初めて意識した。確率が低いことは、安全を意味するわけではない。(もしかして、ピルは安心安全ですよといって広めることで儲けている人たちがいたりする??)

あと、ここ1週間くらい毎朝毎朝、体が怠すぎて起きれない。これ改善するまで2〜3ヶ月飲み続けたところで、生活に支障出まくりである。これから3ヶ月間午前中の予定全部キャンセルするつもりなんか。PMSの怠さは毎月あるとはいえ、月に数日で済む。怠いのを改善する目的で飲んだ薬の影響で余計に怠いって、本末転倒なのでは。

ピルをやめる

婦人科に行って、副作用があったことを伝えたら、ピルはやめて別の薬にしましょうということになった。

身体がついていけないのは当然

ピルをやめると2,3日で生理が来る。でこれまた普通に生理痛で下腹部が痛む。ピルは、不調を全部丸ごと消し去ってくれる魔法の薬かのようにポジティブキャンペーンがなされている。少なくとも私は、多少疑念を抱きながらも、そう受け取った。それは風俗嬢やビッチが避妊のために飲むものだという偏見を覆すためのキャンペーンではあるのだろう。しかし、身体に対して人工的に、無理やり変化を与える薬ではあるので、それに身体がついていけないことは当然ありうるのだと学んだ。私の疑念はある意味間違ってはいなかった。低用量ピルを普及させて儲けようとしている人たちがいるのではないかというのはさすがに陰謀論だけれど、もう少し正直に副作用のデメリットを詳細に説明していってもいいのではないかと思う。最初の1シートは無料お試しにするとか。私は500円払って体調不良を買っただけになってしまった。