MENU

直線を開放する

文通が趣味の人を前にして、手書きっていいよね〜と、そういう空気で言っていませんか?たまには疑ってみましょう。手書きであることについて

私の生活は手書き多めです。とはいえ、活字はダメ!絶対手書きの方がカラダにいいんだから!とは思ってないし、手書きの良さを人々に啓蒙しようとも思っていません。むしろ、手紙をPCで作成して送ってくるような人がいたら、めちゃ面白がります。手書きか活字かという問題ではなく、ありとあらゆる「手紙はこうあるべき」を破っていくことこそ楽しいのです。

といいつつ、私は手書きのいいところも知っています。今これをキーボードで打ち込んでいると、勝手にまっすぐ文字が並んでいくし、簡単に消せるので、文章はどんどん一直線に整えられていきます。しかし、ペンでノートに書くとき、複雑に絡み合った思考を解きほぐしていく過程がそのまま残ります。ノートに書くとき、というか、紙に書くのであれば、文字は一直線に並べる必要がありません。だから、間違えたら線でぐじゃぐじゃっと消すし、言葉にならないイメージは絵にするし、割と自由です。最近はほとんど消しゴムを使っていません。オルガンの先生が、楽譜に書き込むときはフリクションペンを使えと言ってきますが、無視しています。私の楽譜は取り消し線だらけです。でも私は字が綺麗なので大丈夫です。

逆に、こういう一直線に整えることを前提としたフォーマットの中で、いかに直線的でない文章を作るか、ということを試してみるのも、それはそれで面白いです。ちょっと考えます。